専門家に教えてもらおう 第6話
ハイハイが、お口を育てる
早いことは、飛ばしていいことではなかった
勝田つかさ先生(歯科衛生士/お口・口腔育成) · 2026年8月21日 · 7:22
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この回の内容(全文)
あおい:おはようございます。お家できらり、AI保育士のあおいです。きらり保育園で勤務しています。
あおい:この番組は、きらり保育園グループ代表の、遠藤由希さんと、ふたりでお届けします。
ゆきんこ:きらり保育園代表の遠藤由希です。ゆきんこと呼んでください。
あおい:専門家に教えてもらおう。
あおい:今日も口腔育成の専門家、勝田つかささんです。
あおい:ゆきんこさん。
あおい:前回は、お口が、からだ全体とつながっているというお話でした。
つかさ:当時の私は、運動神経いいかも、この子、ってなったんですよ。
つかさ:うちの息子、発達がすごく早かったんですね。
ゆきんこ:どのくらい、早かったんですか。
つかさ:二か月と二十日くらいで、寝返りをしました。
ゆきんこ:二か月と二十日。首が座っていたのかどうか、気になるくらいの月齢ですね。
つかさ:歩いたのも、十一か月でした。
ゆきんこ:十一か月。ズリバイやハイハイはどれくらいの期間できたのか…今の私達なら、気になるポイントですよね。
ゆきんこ:でも、当時はそんな息子さんの姿を、心から喜ばれたのですよね。
つかさ:そうなんです。やったね、できたねって、悩むことはなかったですね。
ゆきんこ:お座りの練習や、歩く練習をさせてあげることで、発達を促すことができる。
ゆきんこ:早くできたから、きっと運動神経がいいのかも。
ゆきんこ:そんなふうに言われたことがある方も多いかもしれませんね。
つかさ:そうなんですよね。だけど、実は発達に大事なのは、早さよりも、順番だった。
ゆきんこ:そこが、私たちの気付きとして共通していたところですよね。
つかさ:寝返りをして、ずりばいをして、はいはいをして、つかまり立ちをして、歩く。
つかさ:この順番ひとつひとつに、意味があります。
つかさ:発達の順番を飛ばしたり、しっかりとその動きを経験できなかった子が、あとから転びやすかったり、走り方がぎこちなかったり。
つかさ:長く見ていると、赤ちゃん期の発達と、その後の育ちがつながっているのが見えてくるんです。
ゆきんこ:保育の現場でも、発達の順番を飛ばしているお子さんが年々増えてきているのを感じていました。
ゆきんこ:なぜ、発達の順番を飛ばしてはいけないのか。
ゆきんこ:その理由をもう少し詳しく、つかささんから教えていただけますか。
つかさ:たとえば、赤ちゃんは寝返りをする前に足を上げて、お腹をつかっています。
つかさ:これが、寝返りに必要な力になってきます。
つかさ:そして、ズリバイでは腸腰筋という筋肉をつかったり、手を左右交互に出すことで脳の切り替えや、舌の動きを学んだりする。
つかさ:ハイハイでは歩くために必要な体幹を鍛えたり、手を床に打ち付けることで脳に刺激を送ったりしています。
ゆきんこ:寝返り、ズリバイ、ハイハイ…この挙げた三過程だけでも、赤ちゃんにとって必要な育みがこれだけ詰まっているんですよね。
ゆきんこ:だから、そこに至るまでを丁寧に見ていくことが大事ということですね。
ゆきんこ:つかささん。例えば、ハイハイの期間が短かった…という子の場合、あとから必要だった育ちを積み直していけるのか。
ゆきんこ:ここが気になる方も多いと思うので、こちらも教えてください。
つかさ:はい。いつからでも育て直せます。
つかさ:順番に戻って、必要だったことを、その時に積み直してあげればいいんです。
つかさ:遅れを取り戻す、という話ではありません。通っていない過程を、辿らせてあげるだけなんです。
ゆきんこ:実際に、きらり保育園でも、ママ達には「発達に練習は必要ないので、お子さんがもつ、成長していく力を焦らず信じて見守ってあげましょう」とお伝えしています。
ゆきんこ:今回、つかささんの力をお借りしながら保育の現場と、口腔育成の視点からひとりの子の育ちを見つめていくことで、ママ達の子育てをさらに支えていけることへの手ごたえを感じています。本当に、ありがたいです。
ゆきんこ:…つかささんは、どのタイミングで、こうした発達の情報に触れられたのですか。
つかさ:息子が二歳のときに、口腔育成に出会いました。
つかさ:お口は、全身と繋がっている。だから、お口の悩みを解決するためには、全身を見ていく必要がある。
つかさ:もっと早く知りたかったな、と思いました。
つかさ:たとえば、服も靴も、見た目重視で選んでいたんです。
つかさ:すぐ大きくなるし、大きめ買うたらええやろ、みたいな感じで。
ゆきんこ:……ああ。
つかさ:その結果、正直、今も足に癖が強く残ってしまっていて。
つかさ:口腔育成を通して、足のことを学んで、靴選びの大切さを知ったんです。
ゆきんこ:それが、いまのつかささんのお仕事につながっているんですね。
ゆきんこ:つかささん。私が、つかささんにお会いするたびに素敵だなと思っていることがあるんです。
つかさ:……はい。
ゆきんこ:人って、知らなかったことを知ると、できなかったときの自分を責めがちになりますよね。
つかさ:なりますね。私も、息子にごめんね、という思いがありました。
ゆきんこ:でも、つかささんは、いまの等身大で一旦いいんだよ、と受け入れてくださる。
つかさ:ほんまに、そう思っているんです。
ゆきんこ:保育者にも、ママにも、同じように言ってくださる。現場は、そこにいちばん助けられています。
つかさ:だって、その時の自分は、精一杯だったとも言えるんです。
つかさ:愛情は、何にも負けへんっていうくらい注いできたので。
つかさ:悪意のないママを、責めることなんてできません。私にも、悪意なんてなかったですから。
つかさ:ただ、知らなかったというだけなんです。
ゆきんこ:つかささんが誰に向けて話していらっしゃるのか、いま分かりました。
つかさ:過去の自分かもしれません。過去の自分が知っていたら、家で何をしていたかな、と。
ゆきんこ:こうした視点をもつ保育園が、ママ達と情報を共有できると、一人ひとりに関わってあげられる深さが変わってきますね。
ゆきんこ:毎日お子さんをお預かりする保育園だからこそ、お伝えできることをこれからも大切にしていきます。
あおい:ゆきんこさん、今日のお話、いかがでしたか。
ゆきんこ:発達は、早さよりも、順番。つかささんご自身の体験から教えていただけたことが大きかったです。
あおい:早い、ゆっくり、で見なくてもいいんですね。
ゆきんこ:はい。発達の順番を、この子はどんなふうに辿ってきたのかな、と見てあげてください。
ゆきんこ:それでは今日も笑顔で。いってらっしゃい。
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