専門家に教えてもらおう 第7話
0歳と歯医者さんのあいだにある空白
かわいい、を選んだ日のことを責める話ではない
勝田つかさ先生(歯科衛生士/お口・口腔育成) · 2026年9月7日 · 4:59
登録なしで聴けます。
この回の内容(全文)
あおい:おはようございます。お家できらり、AI保育士のあおいです。
ゆきんこ:きらり保育園代表の遠藤由希です。ゆきんこと呼んでください。
あおい:専門家に教えてもらおう。口腔育成の専門家、勝田つかささんです。
あおい:ここまで大事なのに、どうして広まっていないんでしょう。今日は、そこを聞きます。
ゆきんこ:私も同じところで止まりました。調べても、たどり着けなかったんです。
つかさ:歯医者側も、歯がないのに来られても、というところが、今の歯科で現状としてあるんです。
ゆきんこ:つかささん。それは、お母さんの側の話ではなくて、受ける側の話なんですね。
つかさ:両方なんです。学べば学ぶほど、もっと早くからやらないと、となっていって、結局ゼロ歳がすごく大事だと気づいたんですけれど、ゼロ歳って歯が生えていなかったりしますよね。だから、お母さんたちに、歯医者に行かないと、という概念がそもそもないんです。そして受ける歯科の側にも、いま申し上げたような感覚がある。
ゆきんこ:そこは、私が現場でぶつかっていた壁と、たぶん同じものです。保育の現場には、口腔育成の勉強というものが、実際にないんです。学ぼうとしても、たどり着けない。お口のことは歯医者さん、という枠が、どこかにあるんだと思います。
つかさ:その枠には、はっきりした理由があります。お口の機能が育っていないことを、口腔機能発達不全症という名前で、歯科で経過観察や管理指導ができるようになったんですけれど、それが導入されたのが2018年なんです。
ゆきんこ:……2018年。まだ十年経っていないということですか。
つかさ:経っていません。ということは、いま開業されている先生方は、自分から情報を取りに行かないと届かない分野なんです。大学の教科書には、なかったものですから。
ゆきんこ:大学の教科書には、なかったんですね。
つかさ:だから歯科医院への導入も、ハードルが高いんです。それに、歯科で赤ちゃんを見るぞ、となっても、やっぱり怖いんですよね、歯医者は。子どもたちは泣いてしまいますから、うまく見られない、ということもあります。
ゆきんこ:子どもたちはお口の中を慣れていない方に見てもらうとなるとびっくりしたり、泣いたりすることもありますね。
つかさ:そこに、もうひとつあります。歯科医院って、毎日行くところではないんです。行っても三か月に一回とか。口腔機能発達不全症の管理としては、月に一回か、二回まで。それくらいなんですね。
ゆきんこ:月に一回か、二回。
つかさ:はい。そこに、わざわざ連れていく労力も考えると、歯科医院だけが頑張っても、これは届かないな、と思ったんです。
ゆきんこ:聴いてくださっている方のなかには、健診で何も言われなかったから大丈夫だと思ってこられた方も、多いと思うんです。でもいまのお話だと、大丈夫かどうかを見る仕組みのほうが、まだ新しいということになりますね。
つかさ:そうなんです。それで私、ママたちから、早く知りたかった、知ってたらやったのに、という言葉を、これまで何度も聞いてきました。私自身も、育児のなかで思ったんです。もう少し早く知りたかったな、と。
ゆきんこ:……その言葉は、私も現場で聞いています。
つかさ:だから、これまでずっと歯科医院向けに研修を強化してきたんですけれど、歯科医院だけじゃもう間に合わん、と思いまして。それで、毎日、食べるということに関わっているのは保育士さんだと思ったので、保育園と一緒に口腔育成を広げていけたら、もっとママに届いて、子どもたちに届くんじゃないかと。
ゆきんこ:届きます。私も調べていくうちに、お口の発達って、赤ちゃんのミルクの飲み方とか、泣き方とか、いろんなことに実はすごく密接なんじゃないかと思ったんです。そのときに、つかささんとの出会いがありました。
つかさ:食べるって、命をつなぐための基本的な行為ですから。生命力を高めていく、気力を高めていくというところで、食べる機能の分野は、もっと保育と関わっていったほうがいいと思っています。
あおい:歯医者さんだけでは間に合わない。だから、毎日会える人が要るんですね。
ゆきんこ:毎日そばにいる人にしか、気づけないことがあります。今日はそれだけ、知っておいていただけたらうれしいです。
あおい:睡眠、気持ちのコントロール、トイレのお悩み…実は、こうしたお悩みと「お口」には、深い関係があります。次回は、子どもの発達とお口のお話です。
ゆきんこ:いってらっしゃい。
紙芝居
















